77th.浅間ミーティング コンクールデレガンスのバイク達
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〜 戸井田さんのレポートです 〜


素晴らしい天気の下で行われた77回のミーティング。デレガンスには21台の参加がありました。

BSA M-20 496cc 1948年式

何時になく緊張した面持ちで周回するHさんが今回持ってこられたのがBSA M-20。

エンジンは500ccサイドバルブで、13ps. 1937年から1955年まで造られた長寿のバイクで、英国で最も長い就役期間をもつ軍用オートバイ。陸軍だけでなく、3軍すべてで使われました。
そんな訳でバリエーションも、改良型もたくさんあります。砂漠で使うためにエアクリーナーをでっかくしたり、荒れ地に対応するため、フォークダンパーの調整ノブが作られたり。
面白いのは、汎用のスチール製パニアケースを取り付けるためにこうなっちゃったらしい、長ーいサイドスタンド。実演してくれました。
先ず、リアのアクスルシャフトより後ろに出ているスタンドを、アクスルシャフトの所に見えているクリップから外し、
地面に立ててやるわけですが、実際はメインスタンドを降ろし、片手でバイクを支えながらこの作業をするわけで、結構大変な作業になりますね。

後年、こいつをボンネベルに持ち込み、ニトロをぶち込んで108mph(172.8km/h)!を出したおバカさん(笑)がいたらしいのですが、そのM-20にもこのスタンドがそのまま付いていて、まるで量産車みたいに見えたそうな。

まあ、上には上がいるもので、本国ではゴールドスターのパーツを流用したM-20に、特殊なメタノール燃料を使って空軍基地の滑走路を112mph(179.2km/h)で走った奴もいる。

多分バイクの成り立ちからすると、日本だったら「カブを思いっきりいじったら、何キロだせるか?」ってなノリなんでしょうね。誰かやってみない?
BMW R62 745cc 1928年式

BMW初の750cc、M56ユニット搭載。745ccで18ps. フロントサスは板バネで、リアはリジット。その為、ドライブシャフトはジョイント無し。この辺は500ccのR57なんかと一緒。ヘッドにフィンが切ってあるのが特徴ですかね。

ボアφ78mm、ストローク78mmのスクエア745ccというのは、10数年後の軍用R75まで変わらずBMW750ccクラスの標準サイズ。エンジンとしては別物なのに。

フィッシュテールマフラーから軽快な音をたてていらっしゃいました。
BMW R75/5 745cc 1972年式

1969年から生産された/5シリーズの最大排気量モデルがR75/5。
/5で初めて導入されたのが、テレスコビックフォークと12Vの電装。樹脂製のフェンダー。 当時台頭してきた日本製バイクに対抗するため、日本製の主力だった350cc以下の小型車との差別化と軽量化、大排気量ゆえのハイパワーを謳ったのでしょう。750ccで50ps. 最高速度180km/h。 ところが同じ1969年に突如日本からやってきたCB750Four。独壇場だった筈の大型車市場に、同排気量で67ps.公称最高速度200km/hがやってきてしまいました。可哀想なことに思いっきり見劣りしちまった訳ですね。

それはともかく、1973年に出されたR75/5のロングホイールベースモデルが、歴代の2バルブRシリーズでは一番バランスが取れたモデルだと思うんですが、どうでしょう?
BMW R90/6 898cc 1975年式

さて、これではいかん。と言うわけで、手っ取り早くパワーを稼ごうと排気量を900(898cc)にし、フロントにCB750Fourと同様、ディスクブレーキを装備したのがR90/6。馬力は何とか60ps.最高速度も188km/hまでもっていきました。

でも、結構無理矢理900ccで、バランスが良いとはけして言えない。振動は多いし、クラッチは弱いし。乗ったことがある方も多いと思うのですが、前輪と後輪がオフセットしていて、低速時にゆらゆらするんですよね。

90/6のフロントをダブルディスクにし、デロルトの38φで67ps.にパワーアップしたのがR90S。こちらはファンが多いお転婆娘に育ちました。
BMW R100 980cc 1980年式

その後を継いだのが、特徴的なハンス・ムート・デザインのフルカウルを身にまとったR100RS。

その高速巡航性能と、安定性、特徴的なデザインが多くのファンを造り、1976年の発売からさまざまなモディファイを受けつつ生産を続け、84年には一度生産を終えたものの、ファンの要望で86年に復活。最終的には1994年までの17年間に渡り生産される事になります。
この車両は年式からいって10タイプあるR100RSの5番目の仕様ということになるのかな?

あんまり語ると手前味噌になっちゃうので何ですが、やっぱり好きな形です。
丸正自動車製造 ライラックR-92 494cc 1964年式

R-92と言えば、ライラック最後のモデル。64年式という事はSTですね。500ccで35.6ps. ほぼ同年代のBMWのR50Sより馬力があった事になります。

中小であるがゆえの、悲劇というか、世の中の流れに翻弄されて消えていった丸正自動車製造ですが、特にこのR-92が、計画通り行っていたらもっと素敵なモデルをたくさん世に出していたかもしれません。どのモデルを見ても、「ライラック」である素敵で優しいデザインは、ファンだという方も多いでしょうね。とはいえ、もうそろそろ50年。
オーナーさんは、この車体にとても手をかけておられるようで、素晴らしいコンディションとおみうけいたしました。静かな排気音とともに走り抜けていきました。
カワサキ 500SS 498.9cc

別のバイクでエントリーされていた様ですが、ふだんは息子さんが乗られているマッハで参加でよろしかったですか?

499ccで60psと言う当時のトンでもバイクは、今まで何回も紹介されているのですが、あのインパクトはすごかった。当時、これを選ぶのって結構勇気が必要でしたね。「500で750食えるんだぜ。」ってノリで買ったけど、あまりのじゃじゃ馬ぶりと燃費の悪さで、やせ我慢しながら乗っていた。って言う人も多かったのではないでしょうかね?


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